渾身の階段

先日、写真家の中山保寛さんに撮っていただいた竣工写真が仕上がってきました。
小さな家ですが50枚も!撮ってもらっています。笑
その中の1枚、大工さんが苦戦しながら作ってくださった(過去の記事)、渾身の階段もかっこよく撮っていただいています。

仕上がってみるとシンプルに見えるんですが、デザインとそれをカタチにする手間は、ぎゅっぎゅっと詰まっています。
全体は大・中・小の3つの収納がそのまま階段になっているようなつくりです。
小さな家なので「クローゼット」や「押入れ」を別でつくると、その分、空間が狭くなってしまいます。
限られた空間はできるだけ広く残しておきたかったので、階段下を有効活用しようというのははじめから考えにありました。
ただ、収納として合理的につくるだけでは「裏方の場所」になってしまうので面白くありません。楽しくデザインしたいと思いました。階段だけど階段だけではない。家具でもあり、棚でもあり、椅子にもなり、ベットにもなる。そんな場所です。

ステップは壁から突き出せるところはなるべくシンプルに。
何かで支える必要がある段は、、例えば10段目は2階の手すりの支柱を下までおろしてきて吊り上げています。逆に7段目は支柱で支えています。

3、4段目は側にある柱まで延長して、柱で支えます。ちなみにこの柱は麻紐を巻いても良し、の猫の爪とぎ柱です。

さらに、1段目のステップを手前に引くと、その奥は床下収納になっています。

階段の2段目はちょっとした腰掛けにもなるのですが、ここにもフタがついていて、

やはり収納になっています。笑

全体はこんなかんじです。

そして最後に、奥はマットレスを置けばソファ兼ベットのくつろぎスペースとなります。

と、盛りだくさん!
それぞれの箇所ごと作りかたも違えば、階段としてしっかりした作りでなければならないので、大工さんはひとつひとつ寸法や手順を考えながらの作業。非常〜〜〜に苦労されていました。おかげさまで、とても良い場所に仕上がったなあと思いながら写真を眺めております。
ありがとうございます。
2階の方が広くて「メイン感」があるのですが、このスペースはちょうどよい狭さで居心地がよく、お気に入りの場所です。

猫のシロちゃんは、ステップの下がちょうどよい狭さなのか、居心地がよいみたいです。

気に入ってくれてなによりです。