かわいいモルタル仕上げ

現場へ行くと、アプローチのモルタル塗りが始まっていました。

左官は一度に厚みをつけて塗ると、剥離したりヒビが入りやすかったりするので、下塗り、中塗り、上塗りと数回にわけて塗り重ねていきます。
こちらはまだ下塗り。
塗り込まれているのは、クラック防止のグラスファイバーのネットです。

外観はメンテナンス性や耐久性を考えて、全体的にガルバリウムの工業的な仕上がりですが、アプローチは毎日通る、視線や身体との距離も近い場所なので、少し有機的なざらっとした風合いがよいなあとモルタル塗りを提案しました。

コテの加減で見え方もかわるのが、左官の面白いところ。
どんなふうにする?とサンプルをつくってくれる左官の足立さん。

少し黒漆喰混ぜてみようか、こっちの砂利混ぜてみようか、もう少し掻き落としてみようか、木ゴテで塗ってみようか、など微妙な違いのものを色々と、、、

たくさんつくってくれました。

次は、中塗り。
表面は、まだ荒くムラのある状態です。
この途中の状態。風合いもなかなかよくて、このまま仕上げても面白いなあと思ったりします。

すると、この状態を見たクライアント。
「このままでも良いくらいです。かわいいです。」とひとこと。
「かわいい」という感想が新鮮で、そのことを左官屋さんに伝えると戸惑いつつも笑っておられました。

兎に角、このラフでムラのある雰囲気を気に入ってくださっていたので、たくさんサンプルをつくってもらいましたが、最終的には「こんなかんじで」と、ラフなオーダーになりました。
(実は「ラフに」というオーダーは逆に難しかったりするのですが。)

そして、最後の上塗りを仕終えて、「どうかなあ。かわいいって言ってくれるかなあ。」とつぶやく足立さんがかわいかったです。笑