季節といなり 豆椿

店舗, リノベーション

- 季節といなり 豆椿

「いなりを通して季節と出合う」をテーマにする、いなりと菓子を提供する店舗の内装設計。
7坪の店内にテイクアウト用のカウンターと厨房、そしてイートインスペースとして大きなテーブルを計画しています。季節のしつらいの中で、季節のいなりを楽しんでもらえるよう、空間はその「背景」となるよう考えました。全体を同じトーンでシンプルにまとめつつも、複数の素材を用いることで微妙に異なる色やテクスチャーを同居させ、時間や天候、季節に合わせ、単調ではなくおだやかに表情が変化するようにしています。テーブルや椅子、店主の制服も、壁や床など内装と同じ「背景」の一部としてとらえ、各制作者と打合わせをしながら空間をまとめました。
また、お店が内だけで完結せず、町の景色の一部としていかに在るかを考え、町の様相とお店が重なり合う状況やきっかけをつくりだしています。

桜の並木道沿いのロケーションです。

通りからみる店内の様子。

店内に差し込む街路樹の影。

イートインスペースには8人掛けの大テーブルをひとつ作りました。 柱は「棚」の変わりでもあり、また、客席と厨房の仕切りとして造作しました。

夏の室礼といなり。

内装、各素材の組み合わせ。 テーブル天板の和紙貼り、カウンターの樹脂モルタル仕上、壁天井のペンキ、床のモルタル、檜の飾り柱、木製の椅子。 ペンキの色は壁と天井で少しだけ変えています。

大きなガラスサッシは既存のまま。そちら側に大テーブルを配置しています。

ガラスを隔てて町の景色とつながります。

この日の季節のいなりは「実山椒」と「梅」

入隅。

内装と制服。デザインはSONAさんです。

暖簾をくぐると正面に左官(デコリエ)仕上のカウンターに埋め込んだガラスのショーケースがあります。 既存のアルミサッシ扉には木製の引手を新しく取付けました。ピネル工房さんデザイン・製作です。

ショーケース内の敷板は、テーブルの天板と同じ和紙貼りで制作してもらっています。

店内には「棚」の変わりに、室礼のきっかけとなるものを用意しています。 その一つ、「横棒」。色々引っ掛けることができます。

先端の豆球とタイルの飾り台。

外を歩く人とのささやかなコミュニケーションがわりにも。

入り口のステップに埋め込んだ鏡。

使われていない既存のサッシ窓に再度ガラスをはめ込んで看板と掲示板にしました。営業の案内が貼られます。 内側に取り付けた鏡面板に映る町の景色と重なります。

ロゴの「豆椿」は書家の華雪さんの印です。

夜景。

- インフォメーション

所在大阪府箕面市箕面5-10-11
構造鉄骨2階建 1階テナント部分内装
年時2016年

季節といなり 豆椿   http://mametsubaki.blogspot.jp/

内装施工       :クラニスムストア http://kuranism.com/
テーブル天板制作   :ハタノワタル http://www.hatanowataru.org/
カウンター左官仕上  :総合建築植田 http://www.skueta.com/
木製椅子制作(木座面):ピネル工房  http://pynel-studio.com/
木製古椅子 座面張替 :宮本敬介
厨房機器       :株式会社タウンタウン

制服デザイン・制作  :SONA http://sona-fuku.com
グラフィックデザイン :migimimi design http://mgmmd.com/

photo_山内紀人 http://n-y-p.jp/