景をひろう

「季節といなり 豆椿」で展示をすることになりました。
私が内装の設計をさせていただいたお店です。

2月の末頃、ふと、店主の細井さんから話をいただきふたつ返事で応えたものの、こういう機会ははじめてなので悩むことも多く、ああでもない、こうでもないと練り、ようやく昨日お店に設えてきました。

建築作品の模型やスケッチ、写真の展示ではありません。
果たしてこれを展示といっていいのかどうかわかりませんが、あえていうならば、設計するときに大切にしている想いの展示なのだと思います。

設計の仕事というのは何を考え何をしてるのか、一般のかたにはなかなか伝わりづらい部分が多いと思います。
人によってもそれぞれです。
ですので、そのほんの一部分でも、何かのカタチで伝われば良いなと考えました。
テーマはまち、まわりの環境との接点。ふとした気づき。

そして期間中は展示にあわせたメニュー、押し寿司と冷菓を考えてくれました。
私自身、それが嬉しく楽しみにしています。(私もまだいただいていません。)
食と空間、一緒に楽しんでいただければと思います。

非常にシンプルな試みです、気楽な気持ちでお立ち寄りいただけるとうれしいです。

内容はまたこのブログやinstagramで少しずつ記しておこうと思いますので、またのぞいてみてください。

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場所:季節といなり 豆椿 http://mametsubaki.blogspot.com/
   大阪府箕面市箕面5-10-11
6/9〜7/16 (期間中の土日祝)
11:00〜17:00

豆椿 instagram https://www.instagram.com/mametsubaki_inari/?hl=ja

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『景をひろう』

箕面駅から商店街を抜け歩いていくと、大きな池のある公園があり、ハトが落ち葉をつついていた。
水面に夕陽が反射してきれいだった。
公園を抜ける手前には保育園があり、階段を降りて少し歩いたところにある桜並木通り沿い、白い長屋の1階部分。
シャッターは閉じられていて中の様子はわからないけれど、通りに面して大きなガラスがはめられていると聞いていた。
この時、桜の蕾はまだ固かったけど、花や葉が繁った景色はすぐ想像できた。
目の前に小さな赤いポスト。

2年前、お店の候補地として相談をうけ、初めてこの場に来たときのことです。
「いなりを通して季節と出合う」
豆椿によく似合う場所だと思いました。

それからは、豆椿がこの場でどんな風景をつくるのか、どんなふうにまちの一部となるのか、くり返し想像しました。
店にくる人、通りすぎる人が、ふと、このまちの季節と出合える場所になってほしいと考え設計したお店です。

そんな想いの展示です。

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