3ヶ月後のすまい
椥辻の家。引っ越しされて3ヶ月が経ちました。
打ち上げをしましょうと、お食事にお招きくださいました。
リビングに入り、まず、お庭に視線がいきました。
良いですね。
普段はロールカーテンを下ろしていて、少し特別な時にはこうしてライトアップして眺めたりもされているみたいです。
ありがたいことに、自分が設計した住宅に訪問させてもらう機会も度々あるのですが、完成直後よりも、竣工写真撮影でお邪魔する時よりも、生活がはじまって、家具やモノの居場所が落ち着いた頃のほうが断然、「いいな。」と思います。
空間と家具、モノがちょうどよいバランス(密度)で、身体がスッと馴染む感覚になります。
そして、ああ、ちゃんと納まったなあ、と安心します。
でもそれって、住み手の力も大きくて。
もちろんセンスがいいとかそういうのも関係はあるのですが、それよりも、この家具は合うかな?とか、ここには置かないほうがいいかな?とか、きっと、空間とじっくり対話してくださっているんだろうな、というのを感じます。
嬉しいですね。
お食事をいただきながら、生活の様子も色々聞かせてくださいました。
太陽がどこから登ってどこに沈むとか、庭の様子とか、来客の反応も。
そんな中で印象深かったのは、「一人だったらこの家にはなっていなかったんだろうなあと思うと、良かったです。」とおっしゃったこと。
ご夫婦2人の住まいなんですが、どちらか一方の要望で実現した部分の良さを、パートナーがより実感していたり活用しているというエピソードでした。
自分1人だと気づかないところや思いつかないことってありますよね。
家族に関わらず、自分以外の誰かと暮らす良さって、きっとこういうことなんだろうなと思いました。
おしゃべりしているとあっという間に時間が過ぎます。
時間も遅くなってしまったので、最後に2階の窓からの夜景をパチリ。
ふわふわと、とても良い気分で帰宅しました。
ぜひ、次は明るい時間にお邪魔させてください。
この仕事へつながっています
椥辻の家
京都市内に建つ、夫婦2人が暮らすほぼ平屋の住宅です。敷地は広く必要な建坪に対して余裕がありました。屋内は生活動線をコンパクトに平屋の矩形で計画し、屋外(庭、駐車、メンテナンススペース)がそれぞれ、ちょうどよい広さになるよ […]