新建築 住宅特集に掲載されました。
新建築住宅特集2024年10月号に、「小径のすまい」が掲載されました。
竣工してもうすぐ2年経ちます。
この2年の間、内覧会や現地審査、大学でのレクチャーと、この作品について「伝える」機会を度々いただいてきました。
伝え、感想やご批評をいただく。それを繰り返していくごとに、初めはぼんやりとしていた自身の考えや設計者としての役割について、少しずつ輪郭が見えてきたように感じています。
雑誌の掲載は広く作品のことを伝えることができる機会。
これは本当に伝えたいことなのか?こんなことをわざわざ書く必要あるのか?とか、たくさん悩み苦戦しましたが、改めて作品と向き合うのは楽しい時間でした。
この号の特集は「山村に生きる家・都市に生きる家」。副題には「どこでどう暮らすか」とあります。
一人の女性が、家を建てる。
経済的なこと、安全面、維持管理(体力面)、これから先も一人でいるのか。そこを踏み切るには、きっと不安も覚悟も大きかったと思います。でも一方で、せっかく家を持つなら、自分が快適で自分に合った家を建ててみたい。でも私ができるんだろうか?
最初、クライアントからはそんな緊張感を感じました。
その決断をなんとかカタチにしたいとスタートした計画で、出来上がったのはつまみ一つに至るまで、彼女にぴったりのすまいです。
そんな思いも含め、作品名の英語名は「Her Path to Live」とつけました。
いつも、「様子はどうですか?」と聞くと「いろんなものがちょうど良くて快適です。」と返ってきます。
その言葉以上に、人も、猫も、植物も楽しそうに暮らしてくれています。
この仕事へつながっています
小径のすまい
間口3mほどの狭小敷地に建つ、幅2.1m、奥行き10.9mの小さな家です。 敷地間口の狭さゆえ、敷地の購入前からどのようなすまいならば建築可能かを相談しながら進めました。いっぽう、南側は幅の広い道路、北側は公園に面し、奥 […]