デザインを委ねる

今回新しくつくるカウンターに並べるダイニングチェア。
宿泊人数分(5名)必要でしたが、一人掛けを5脚にするには少し手狭なかんじだったので、ダイニングチェアは2脚、あとは3人掛けのベンチを1つ置くことにしました。

新しいもの、既存のもの、色んな素材が合わさる空間に置くダイニングチェアは、少し空間を締めてくれるものがよいな、、、と、以前一緒にお仕事させていただいた(ドレッサー『t』カップボード『t』)三重のタンペレさんに製作をお願いしました。
タンペレさんのつくる家具はどんな空間にも合わせられそうな普遍的なデザインですが、それは丁寧なディティールの上に成り立っていて、心地のよい緊張感があります。(と、私の勝手な理解。)

ダイニングチェアのほうはタンペレさん定番のデザインのものを、と決めていましたが、ベンチはそれと馴染むようなデザインで、、と一から検討していただくことになりました。
少し相談が必要だったのは、椅子の寸法と強度、デザインとの兼ね合いです。
最初にだしてもらったデザインはシンプルなもので気に入っていたのですが、もう少しゆったり掛けれるように、、あと10センチ長くしてもらえますか、と私。
ただ、そうなると部材の寸法や支え方そのものも見直す必要がでてきてしまうようでした。
このせめぎ合いの気持ちは痛いほどわかるのですが、ここはタンペレさんにお任せです。

そして再び提案していただいたのは奇をてらわず実直な、タンペレさんらしいデザイン。
期待どうりの長椅子になりそう!
誰かにデザインを委ねることの贅沢さを感じると同時に、私もクライアントにとってそうでなければ、と気が引き締まる瞬間でもありました。