黒く染める

ゲストハウス清泉について。
求められている「京都らしさ」ってなんだろう、と悩みつづけます。
事務所から自宅まで、まさに京都の町ど真ん中が通勤路ですので、しばらくは町並みの観察が続きました。
格子とか、瓦とか、漆喰、路地、、キーワードは色々あるのですが、今回の手がかりはなかなか見つからず。
観察を続けたのち、形態や意匠、素材ではなく、「色」を手がかりにすることにしました。
京都は他の都市に比べて黒い仕上げがよく使われているなと感じました。
黒い土間、黒い壁、黒い建具、、、「黒」というより「暗い」空間なのかもしれません。
それが、=京都らしさではないと理解していますが、ひとつの手がかりにしてみようと思います。
仕上げを更新するところには黒い色を使って、空間全体を整えていく、、

模型写真。

玄関、廊下、水回りなどは共有空間は全面的に仕上げを変えていくので黒い空間になります。
土壁で状態が良い畳間部分は現状を維持させます。
模型だとわかりづらいということで、パースを学生さんに製作してもらいました。

玄関

ダイニング

寝室

黒い空間の中にポイント的に色を散らしていきたいな、、とそんなことを考えながら。
こういうとき、パースはとても便利ですね。
模型よりも手間がかからず別の色に変えてみてみたり、と試すことができます。

後日談ですが、クライアントは一応OKをくださったものの、模型とパースを見てとても暗い空間になるのではないか、、と心配されていたようです。(すみません。苦笑)