裏を表に。

ゴトウ美髪店の内装のこと。

新店舗の計画地は3階建ての戸建住宅の1階部分でした。
前面道路側にはガレージがあり、玄関を入ってその奥の8畳の部屋です。
隣地境界ギリギリにコンクリートブロックがありそこまでは50センチほどの隙間があるだけでした。

前店舗は、交通量の多い交差点に面した2階部分にあり、全面ガラス張りで光がたくさん入る明るい場所で、面積も2倍以上はありました。
今回の場所では、明るさや広さの面の工夫は必要ですが、大通りから一筋入った住宅地の中にありますので、隠れ家的な落ち着いたサロンの雰囲気がつくれるといいなと思いました。

一番はじめに考えたことは、お客さんが座る向き、つまり鏡をどこに据えるか。です。
余談ですが、私は後藤さんにカットしていただいていました。私は客の立場だったのでした。
前店舗では、交差点に背を向けるかたちでミラーが設置されており、カットの間、私はミラー越しに交差点の人や車の従来を眺めているのを楽しんでいました。
今度のサロン計画でもお客さんの視線、意識を外に抜けさせることができたらといいな、と思いました。

はきだしの窓からブロック塀までの50センチほどの隙間は、この部屋にとって唯一の外。
光がさんさんと差し込むわけではありませんが、ぼんやりと明るく、貴重な空間です。
この、建物「裏」空間を、「表」にする計画です。

枠などを隠し、開口をキレイに見せます。
既存のアルミサッシの四周の枠が隠れるように壁を少し内側に狭めました。

ブロック塀には白い飾り棚をとりつけて、

開口部の中に鏡を据えて、アルミサッシの真ん中の桟も隠します。隠すだけで締まって見えます。
ガラスも透明にして、視線に50センチ分の奥行きを確保します。
(ちなみに、鏡は左右にスライドします)

50センチの余白を、床の間のような空間にみたてました。
作ってみると、昼間は右側(南)から結構明るい光が差し込み、その光も印象的できれいでした。

白い棚にその時々のしつらえをしてもらい、お客さんの目を楽しませていただけると嬉しいです。