”ウラ”を”オモテ”に。

ゴトウ美髪店の内装計画。

私は、移転前の現サロンで後藤さんにカットしてもらっていました。
そこは、交通量の多い交差点に面した2階部分で、全面ガラス張りで光がたくさん入る明るい場所でした。面積も2倍以上はありました。
今回のサロンは、明るさや広さの面の工夫は必要なのですが、立地は一筋入った静かな住宅地の中にありますので、隠れ家的な落ち着いた雰囲気がつくれるといいなと思いました。

また、今のサロンでは、大きな交差点に背中を向けるかたちでミラーが据えられていたので、カットしてもらっている間は、私はミラーに映る、交差点の人や車の従来を眺めるのを楽しんでいました。
ですので、このサロン計画においてもまず最初に考えたのは、「お客さんの視線」。
つまりチェアとミラーをどう据えるか、です。
お客さんの視線や意識を少し外に抜けさせることができたらといいな、、、。

アルミサッシの開口をあけると、隣地境界ギリギリのコンクリートブロックが迫っており、そこまでは60センチほどの隙間があるだけでした。

それでも、この部屋にとっては貴重な「外部空間」。
サンサンと、とまではいきませんが光も差し込みます。
この、敷地「裏」をなんとか活かせないか、、、

まず既存の開口枠やアルミサッシの障子枠を見せないように壁を細工します。

ブロック塀には白い飾り棚をとりつけました。

既存のアルミサッシはスリガラスから透明ガラスに変えて、視線が外とつながるようにしました。
そして、この開口部の中にミラーを据えます。
このミラー、中央のアルミサッシの障子枠を隠す役目もあります。
余分な「線」をみせずにスッキリとさせることで、内側と外側の境界を感じさせないようにする工夫です。

ちなみにこのミラー、施工の中西さんの工夫で、左右にスライドするようになっています。窓を開けるときは、ミラーをずらして鍵をあけることができます。

60センチのこの空間は、床の間にみたてました。
白い棚にその時々のしつらえをしていただき、お客さんの目を楽しませていただけると嬉しいです。