トントンあらわしの天井

子供達が遊ぶセカンドリビング的なスペースです。天井を取り払うと、屋根の野地板がでてきました。
「トントン」、昔の瓦屋根の下地として打ち付けられた木の板のことをそう呼んでいます。

内部の状態は、痛みはあるものの、柱や梁、屋根の野地板の状況は築年数のわりには良好で腐りなどは特にありませんでした。やはり人が住み続けるというのは大事なのですね。

クライアントと相談し、このトントンや丸太梁(ゴロンボー)などの荒々しい架構は面白いので、そのまま見せましょうということになりました。
この状況は新築では作れないので、改修ならではの面白さです。

が、

現場監督から、屋根に微細な隙間があるけどどうしましょう、、。と。
雨漏りするほどではなさそうですが、断熱環境としては当然よくありません。
土ほこりが落ちてきたりもします。
トントンあらわしは捨てがたいけれど、さすがに日々の生活空間ということを考えると、新しい板材で塞ぐほうが良いだろうと思い、相談したところ、
「せっかく年代を経てきた建物なので、それが残る部分をみせたい。」と、クライアントの(私よりも)建築的な一言。
結局、トントンはそのままあらわすことになりました。

くねっと曲がった梁にあわせて壁を合わせていく加工をしなければならないので、大工さんは緻密な作業と手間が必要になるわけですが、頑張ってくださりました!

柱のほぞ穴などは埋木してもらいました。最後に塗装をして馴染ませます。

2階のこの空間がどんなふうに仕上がるか、楽しみです。